臨床医学各論メモ
臨床医学各論=疾患の詳細を学ぶ学問。
- 【先端巨大症、巨人症】 GHが過剰
- 【クッシング病】糖質コルチコイド(コルチゾール、ACTH)が過剰
- 【高プロラクチン血症】プロラクチンが過剰
- 【成長ホルモン分泌不全性低身長症(下垂体性低身長症)】
- 【下垂体前葉機能低下症(機能不全)】下垂体前葉全てのホルモンが機能低下
- 【尿崩症(中枢性尿崩症)】バゾプレシンの分泌低下。
- 【甲状腺機能亢進症】甲状腺ホルモンが過剰
- ①バセドウ病(グレーブス病)
- 【甲状腺機能低下症】甲状腺ホルモン分泌低下
- ①慢性甲状腺炎(橋本病) 加齢で甲状腺機能低下
- ②クレチン病 先天性の甲状腺機能低下症
- 【副腎皮質機能亢進症】
- ①クッシング症候群 慢性のコルチゾール分泌過剰
- ②原発性アルドステロン症(コン症候群) アルドステロン分泌過剰
- 【副腎皮質機能低下症】
- ①アジソン病 クッシング症候群と症状は反対
- 【褐色細胞腫】 多量のカテコールアミンを分泌する腫瘍。
- 【副甲状腺機能亢進症】 パラソルモンの産生が増加
- 【副甲状腺機能低下症】 パラソルモンの分泌低下
- 【糖尿病】 インスリン分泌不足や感受性低下により血糖値の上昇
- 【脂質異常症(高脂血症)】
- 【肥満症】 体内に脂肪組織が過剰に増加した状態
- 【るいそう】脂肪組織だけでなく、筋組織のタンパク量が減少した状態
- 【高尿酸血症】 血中で尿酸値が高い状態
- ①痛風 尿酸塩結晶が関節内に沈着し炎症反応を起こし激烈な痛みを伴う
- 【ヘモクロマトーシス】 全身臓器に鉄が過剰に蓄積し臓器障害を起こす
- 【ビタミン欠乏症】
- ①水溶性ビタミン
- ②脂溶性ビタミン
- 【ビタミン過剰症】
- 【通過障害】
- 【悪心・嘔吐】
- 【腹痛】
- 【便通異常】
- 【消化管出血】
- 【鼠径ヘルニア】
- 【歯周病】
- 【う歯】
- 【口内炎】
- ①アフタ性口内炎
- ②舌炎
- 【口角炎】
- 【食道炎・食道潰瘍】
- ①逆流性食道炎
- 【マロリー・ワイス症候群】
- 【食道静脈瘤】
- 【胃・十二指腸潰瘍(消化性潰瘍)】
- 【胃炎】
- 【胃ポリープ】
- 【胃下垂】
- 【潰瘍性大腸炎】
- 【クローン病】
- 【腸閉塞・イレウス】
- 【過敏性腸症候群】
- 【大腸ポリープ】
- 【虫垂炎】
- 【食道癌】
- 【胃癌】
- ①ダンピング症候群 胃切除後の合併症の1つ
- 【大腸癌】
- 【急性腹膜炎】
- 【結核性腹膜炎】
- 【癌性腹膜炎】
- 【感染経路(感染様式)】
- ①外因性感染 外界から病原体が伝播するもの
- ②内因性感染(普段は無害な常在微生物(常在細菌叢)が病原性を発揮するもの)
- 【経過】
- 【感染症を疑う症状・所見】
- 【概要】
- 【黄色ブドウ球菌感染症】 黄色ブドウ球菌:接触、飛沫
- 【連鎖球菌感染症】
- ①猩紅熱 A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌ってやつ):飛沫
- ②肺炎球菌性肺炎 肺炎球菌:飛沫
- 【破傷風】 破傷風菌:接触(創傷)
- 【細菌性赤痢】 赤痢菌:媒介(経口)
- 【百日咳】 百日咳菌:飛沫
- 【ジフテリア】 ジフテリア菌:飛沫
- 【コレラ】 コレラ菌:媒介(経口)
- 【腸チフス・パラチフス】 チフス菌・パラチフスA菌:媒介(経口)
- 【レジオネラ症】 レジオネラ菌:空気、飛沫
- 【概要】
- 【インフルエンザ】 インフルエンザウイルスA,B,C:飛沫
- 【麻疹(はしか)】 麻疹ウイルス:空気、飛沫
- 【風疹】 風疹ウイルス:飛沫
- 【流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)】 ムンプスウイルス:飛沫、接触
- 【エンテロウィルス感染症】
- ①手足口病 A群コクサッキーウイルス:飛沫、接触
- ②ポリオ ポリオウイルス:接触、経口、飛沫
- 【アデノウィルス感染症】 ウイルスの種類が超多い。
- ①咽頭結膜熱(プール熱) 飛沫、接触 5類感染症
- ②流行性角結膜炎(はやり目) 接触 5類感染症
- 【ノロウィルス感染症】 経口
- 【ヘルペス感染症】
- ①水痘・帯状疱疹 水痘・帯状ヘルペス(帯状疱疹)ウイルス:空気、接触
- ②単純ヘルペス感染症 1型・2型ヘルペスウイルス:飛沫、接触、産道
- ③伝染性単核球症 EBウイルス:接触、飛沫
- ④突発性発疹 6型・7型ヘルペスウイルス:接触
- 【梅毒】 梅毒トレポネーマ
- 【淋病】 淋菌
- 【性器クラミジア感染症】 クラミジア・トラコマチス
- 【エイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)】 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
- 【概要】
- 【黄色ブドウ球菌】
- 【ボツリヌス菌】
- 【腸管出血性大腸菌】
<内分泌疾患>
~下垂体疾患~
【先端巨大症、巨人症】 GHが過剰
・ほとんどは下垂体腺腫が原因
※GHの機能
・軟骨形成
・タンパク質合成
・血糖値の上昇
・脂肪酸遊離
・汗腺発達
☆症状
・視野障害(下垂体の上にある視交叉が圧迫されるため)
・月経異常
・鼻・舌・口唇の肥大
・モアイみたいな見た目になっていく
・発汗亢進、高血圧
【クッシング病】糖質コルチコイド(コルチゾール、ACTH)が過剰
・下垂体腫瘍による
【高プロラクチン血症】プロラクチンが過剰
・下垂体から血中プロラクチンが増加し、性腺機能が低下したもの。
・1:3.6で女性に多い。
【成長ホルモン分泌不全性低身長症(下垂体性低身長症)】
・巨人症の逆パターン。
・低身長に。
・8割原因不明。
・3万人に約1人。男女比3:1で男児に多い。
※低身長だが身体のつり合いはとれている。知能も正常。
【下垂体前葉機能低下症(機能不全)】下垂体前葉全てのホルモンが機能低下
①シモンズ病
・下垂体前葉ホルモンの一部またはすべてが何らかの原因で十分に分泌できない状態
②シーハン症候群
・分娩時大出血に伴う下垂体壊死による下垂体機能低下。やせをきたす。
【尿崩症(中枢性尿崩症)】バゾプレシンの分泌低下。
・下垂体後葉機能の低下により、バゾプレッシン(ADH。抗利尿ホルモン。腎の集合管において水の再吸収を促進する)の分泌が低下。
・うっすいうっすい尿がガンガン出て行っちゃって口渇、多飲になるって感じ
☆症状
口渇、多飲、多尿
☆成因
・続発性(その疾患と関連のない疾患に紐づいて引き起こされるもの):
約60%。脳腫瘍、外傷、脳外科手術、脳出血などに起因するもの
☆診断
1日の尿量が5L以上で夜間にも排尿で起こされるといった症状から疑われる。
・尿検査…低張尿(低比重尿)
・水制限試験…尿浸透圧の上昇や尿量の減少がみられないことが特徴。
※心因性多飲症では尿浸透圧の上昇や尿量の減少が見られる。
※浸透圧中枢もバゾプレッシン分泌も、視床下部で行われる
~甲状腺疾患~
【甲状腺機能亢進症】甲状腺ホルモンが過剰
・代謝亢進、自律神経刺激などで起こる病態。
・80%がバセドウ病。
①バセドウ病(グレーブス病)
・びまん性(広範囲に、全体的にの意)甲状腺腫を伴う。
・20~40代の女性に多い。
☆メルゼブルグの三徴
1,頻脈
2,眼球突出
3,びまん性甲状腺腫
※"メルゼブルグ"ときいたらバセドウと思ってOK
☆症状
体重減少(やせ)、発汗過多、不眠、周期性四肢麻痺、腱反射亢進、交感神経刺激作用の亢進(頻脈、高血圧、手指振戦など)
※代謝:同化+異化。バセドウは異化が強く亢進するので合成より分解!
※周期性四肢麻痺:四肢の筋に対称的に数時間から1日程度持続するような弛緩性麻痺や脱力が発作的に起こるもの。数ヶ月に一度のペースで繰り返される。特に低カリウム血症時にみられることが多い。低カリウム血症の場合他に腹部膨満、脱力感などもある。
※総コレステロールが低値になることに注意。同化も異化も亢進してコレステロールもたくさん作られているが、排出も亢進しているので。
【甲状腺機能低下症】甲状腺ホルモン分泌低下
☆症状
・皮膚の粘液水腫(圧痕が残らない、水以外のものが溜まった硬い浮腫。"粘液水腫"と聞いたら甲状腺機能低下症と考えて良い)、
・嗄声(浮腫が原因)、寒がり、発汗減少、記憶障害、言語緩慢、食欲減退、便秘、腱反射の弛緩相遅延、徐脈、息切れ
☆診断
・TSH濃度が高値(下垂体前葉は「甲状腺ホルモン出せ!」ってずっと言ってる)
①慢性甲状腺炎(橋本病) 加齢で甲状腺機能低下
・40歳以後次第に機能が低下し最終的に約15%が甲状腺機能低下症となる。
☆疫学
・男女差が著しく30~50代の中年女性に多い。
・女性の10人に1人という高い頻度でみられ、男女比は1:20以上。
・甲状腺機能低下症のうち最も多くみられる疾患。
②クレチン病 先天性の甲状腺機能低下症
・身長および精神の発達が遅延した病態
☆症状
低身長
~副腎疾患~
【副腎皮質機能亢進症】
①クッシング症候群 慢性のコルチゾール分泌過剰
☆疫学
・女性に多く(1:6.7)40代に発病のピーク。
☆症状
・高血糖、赤色皮膚線条、中心性肥満(満月様顔貌)、水牛様脂肪沈着、バッファローハンプ、不眠、月経異常、高血圧、周期性四肢麻痺
②原発性アルドステロン症(コン症候群) アルドステロン分泌過剰
・副腎皮質の球状帯の腺腫、癌、過形成などの原発性病変があるとなる
☆症状
・特に高血圧が特徴的。
・低K血症、アルカローシス、低Mg血症によるテタニー(手足の痙攣で収縮したまま動かない)
☆診断
低値…血漿レニン活性
高値…血清Na(臨床的にはそんなに)
【副腎皮質機能低下症】
①アジソン病 クッシング症候群と症状は反対
☆症状
・低血圧、易疲労感、体重減少(やせ)、高K血症、恥毛の脱落、月経異常、ACTH増加に伴い色素沈着(色素沈着=アジソン病ぐらい)
※ACTHはメラニンの産生も刺激する
※糖新生ができない、アルドステロンが出ない、疲れやすい、食欲出ない
【褐色細胞腫】 多量のカテコールアミンを分泌する腫瘍。
・副腎髄質などから発生。
※カテコールアミン
☆症状
・SNS(交感神経)刺激症状。
・高血圧、高血糖、発汗亢進、やせ、不眠
☆診断
・血中カテコールアミンが高値となる。
~副甲状腺疾患~
【副甲状腺機能亢進症】 パラソルモンの産生が増加
・高Ca血症、低リン血症、アシドーシス、消化器症状、骨病変などの症状を呈する
☆成因と病態生理
・慢性腎不全による低Ca血症によるものが多い(腎臓に頼れなくなると腸管のビタミンDの活性化もうまくできなくなる)。
【副甲状腺機能低下症】 パラソルモンの分泌低下
・低Ca血症、テタニー
※低カルシウム=テタニーと覚えた方がいい
<代謝・栄養疾患>
~糖代謝異常~
【糖尿病】 インスリン分泌不足や感受性低下により血糖値の上昇
・1型(そもそもインスリンが出ない) の成因:ウィルス感染、免疫異常
・2型(インスリンが作用してない) 中年以降の肥満者に好発。95%が2型
☆症状
・口渇(血糖値を薄めたいから)、多飲、多尿(浸透圧性利尿。糖が浸透圧高く、尿を増やしてしまう)
・易感染性(免疫低下)、骨折、骨粗鬆症
☆急性合併症
・ケトアシドーシス(ケトン体は酸性。1型に多い)
・昏睡、クスマウル呼吸(深くて速い規則正しい呼吸。酸性→正常にしようとしてる)
☆慢性合併症
2,細小血管障害(3大合併症)
①網膜症 視力低下、硝子体出血、放置すると失明する。
②神経障害
・多発ニューロパチー:
感覚運動神経障害(末梢神経障害)→左右対称製感覚障害、両側アキレス腱反射減弱または消失、振動覚低下(深部感覚)、こむらがえり
自律神経障害→起立性低血圧、発汗異常
・単ニューロパチー:多くは動眼N障害による外眼筋の麻痺
③腎症 血液のろ過ができないので慢性腎不全となる
☆診断
・HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)6.5%以上が異常値
※最近1~2ヶ月の血糖値を反映。
・グリコアルブミン15.9%以上が異常値
※過去1~2週間の平均血糖値を反映
・微量アルブミン尿(糖尿病腎症の早期発見に最も重要な指標。糖尿病腎症では早期の段階で出現する)通常ろ過されないものが見つかった時点で腎が障害されつつあるとわかる
・BUN(血中尿素窒素。本来たくさん出ていくもの)
・クレアチニン(ローマン反応(筋がATP使う)のときのクレアチンの老廃物)
☆治療
・光凝固療法:眼底にレーザー照射。網膜症における新生血管の発生を抑制するため
~脂質代謝異常~
【脂質異常症(高脂血症)】
・空腹時において高脂血症(LDLとトリグリセリドの異常高値)+HDL異常低値を示す
☆疫学
・高コレステロール血症は女性の方が数%多いがほぼ差がない
・高トリグリセリド血症は男性の方が多い。急性膵炎
☆成因と病態生理
・続発性:甲状腺機能低下症、糖尿病、肥満
※肥満が共通点。クッシング症候群も原因となりやすい。
☆症状
自覚症状がほとんどないが、長期間続くと血管の動脈効果が徐々に進み合併症が起こる
・急性膵炎 高トリグリセリド血症で多発する
【肥満症】 体内に脂肪組織が過剰に増加した状態
・肥満度が30以上で中等度肥満、35以上で高度肥満。
・睡眠時無呼吸症候群の原因となるので注意が必要。
【るいそう】脂肪組織だけでなく、筋組織のタンパク量が減少した状態
~尿酸代謝異常~
【高尿酸血症】 血中で尿酸値が高い状態
・プリン体の代謝異常、あるいは最終産物である尿酸の排泄障害により体内に尿酸が蓄積。そのものには症状がない
※自己免疫疾患ではない!
①痛風 尿酸塩結晶が関節内に沈着し炎症反応を起こし激烈な痛みを伴う
・高尿酸血症が原因。
・尿酸塩結晶が関節内に沈着し、白血球が貪食して炎症反応を起こし激烈な痛みを伴う急性関節炎発作を主症状とした状態。
☆疫学
・成人男性に多い。95%男性。全男性の1%くらい
☆成因と病態生理
・続発性:悪性腫瘍(白血病、多発性骨髄腫など)、腎不全などが原因に
☆症状
・母趾基関節(第1中足趾節関節)の激痛
・痛風結節 皮膚とか盛り上がっちゃう
☆合併症
・尿路結石
☆治療
・アルコール過飲と肉食中心の食事を控える
・コルヒチン(白血球の作用を抑制)や商店鎮痛薬を投与
※偽痛風について
・ピロリン酸カルシウムの沈着によりみられる関節炎。
・女性に多く膝関節に好発
・X線所見は半月板石灰化。関節の炎症症状(発赤、熱感、疼痛、腫脹)を伴う
~金属代謝異常~
【ヘモクロマトーシス】 全身臓器に鉄が過剰に蓄積し臓器障害を起こす
・遺伝性は極めて稀。
~ビタミン欠乏症・過剰症~
【ビタミン欠乏症】
①水溶性ビタミン
・ビタミンB1…脚気(腱反射の消失、浮腫)、ウェルニッケ脳症(意識障害、精神障害)
・ビタミンB6…多発性末梢神経炎。いろんな抹消Nが悪くなる
・葉酸…巨赤芽球性貧血
・ビタミンB12…巨赤芽球性貧血(悪性貧血)。赤血球が正しく作れない。大きくできて壊れやすい
②脂溶性ビタミン
・ビタミンA…網膜の視細胞内のロドプシンを作るのに必要。
・ビタミンD…骨軟化症
【ビタミン過剰症】
<消化管疾患>
~総論~
【通過障害】
・嚥下障害…口腔~食道の通過障害。機能的障害、器質的障害の2通り
・腸閉塞、イレウス…腸内容が肛門側に移動できなくなった状態
【悪心・嘔吐】
・悪心
・嘔吐
【腹痛】
・内臓痛
・体性痛…腹膜刺激症状(筋性防御、反跳痛(ブルンベルグ徴候))が出ることも
【便通異常】
・下痢
・便秘
【消化管出血】
・吐血
・下血
【鼠径ヘルニア】
・鼠径部から腸管が脱出したもの。
※嵌頓…腸の一部がヘルニア門に挟まり込んで、腹腔内に戻らなくなってしまった状態
※ヘルニア…脱出する、突出するの意
~口腔疾患~
【歯周病】
・歯肉に限局した炎症を起こしたものを歯肉炎。さらに最近が歯肉溝の奥に侵入し歯周ポケットを形成し膿汁が貯留し、歯根膜周囲に及び歯槽骨を融解していくものを歯周病という。デンタルプラーク(歯垢)はこれらの最近の塊。
☆増悪因子
・糖尿病、喫煙、妊娠(思春期の女性も。細菌がエストロゲンに反応し増える)
【う歯】
☆原因
・ミュータンス連鎖球菌(う蝕原性菌)、歯の質、食品(特に糖)、唾液が少ない
※進行度
C0 白濁もしくは着色のある要観察歯
C1 エナメル質の脱灰初期。痛みなし
C2 象牙質まで進行。冷たいもの、暑いものがしみる
C3 歯髄まで進行。激しい痛み
C4 歯の根だけが残った状態
【口内炎】
①アフタ性口内炎
※アフタ=痛みを伴う白い斑点
・原因不明のことが多いが、潰瘍性大腸炎、ベーチェット病、白血病などの合併症でもみられる。
②舌炎
・口内炎が舌に限局しているもの。悪性貧血やビタミンB2・ナイアシン欠乏症にみられる。
※Hunter舌炎=つるっつる
【口角炎】
・ビタミンB2欠乏によって起こることが多い。
・口渇の亀裂、疼痛を伴う
・口唇ヘルペスと類似した病変
~食道疾患~
【食道炎・食道潰瘍】
・食道粘膜に炎症を起こしたものを食道炎、さらに進展し潰瘍を形成したものを食道潰瘍という。
①逆流性食道炎
・食道炎の中で胃酸や胃内容物の逆流によるもの。
・噴門部括約筋(下部食道括約筋)が弛緩している。
・抗コリン薬は弛緩を助長するので用いない。
【マロリー・ワイス症候群】
・嘔吐を繰り返しているうちに食道下端部の粘膜に裂傷を起こして吐血するもの。
【食道静脈瘤】
・肝硬変などで側副血行路が発達し食道下端の静脈叢が拡張したもの。
※一回の破裂で亡くなることも。
~胃・十二指腸疾患~
【胃・十二指腸潰瘍(消化性潰瘍)】
・胃や十二指腸粘膜が胃酸やペプシンによって粘膜欠損が生じたもの。
・男性に多く見られる。
☆原因
ヘリコバクター・ピロリ菌、ストレス、消化鎮痛薬(NSAIDs)
☆症状
・胸やけ、食欲不振、関連痛として背部痛がみられることも。
・胃潰瘍の好発部位は胃角部付近、心窩部痛は食後。
・十二指腸潰瘍の好発部位は十二指腸球部(十二指腸の始まり)、心窩部痛は空腹時。
☆診断
・ニッシェ像…潰瘍部分にバリウムが貯留して突出してみえる
・尿素呼気試験(UBT)。内視鏡を使わない。ピロリ菌がいるとCO2が出てるのでわかる
【胃炎】
①急性胃炎
・急に発症する上腹部痛、特に心窩部痛をきたす状態に対する臨床診断名
②急性胃粘膜病変
・上腹部痛、出血などの症状が急激に出現
③慢性胃炎
【胃ポリープ】
・癌化の可能性は極めて低く、無症状ならば治療は不要
【胃下垂】
・3度まで程度がある
~腸疾患~
【潰瘍性大腸炎】
・広く浅くおこるイメージ。
・びまん性の慢性炎症性腸疾患。
・主として大腸の粘膜・粘膜下層にびらんや潰瘍を形成する。
・直腸から口側(上行性)に全周性かつ連続性に広がる。
※自己免疫疾患と考えられている一面もある。
※大腸のみで粘膜と粘膜下層のみ。
☆病型分類
・直腸炎型…病変が直腸に限局。発生頻度が高い。
☆症状
・主症状:
腹痛、下痢、粘血便・膿性便、発熱。長期に渡ると貧血、体重減少も。
・合併症:
ブドウ膜炎、アフタ性口内炎、結節性紅斑
☆陰性所見
・痔瘻
☆診断
・特徴的な所見…全周性潰瘍
☆治療
・中毒性巨大結腸症、出血、穿孔、癌化の場合は絶対的手術適応。
【クローン病】
・狭く深くなイメージ
・若年成人に好発しやや男性に多い。原因不明。
・進行性の潰瘍や線維化を伴う肉芽腫性炎症疾患。
・舌から肛門部まで消化管のあらゆる部位に非連続性(ところどころ。ポツポツ)に病変がみられ、消化管壁全層の炎症を起こす。
☆症状
・主症状:
腹痛、下痢(血便は比較的少ない)、発熱、体重減少
・合併症:
☆診断
・縦走潰瘍、敷石状病変
・部位 大腸のみ:全消化管
・好発 直腸:小腸~大腸
・炎症範囲 粘膜~粘膜下層:壁の全層
・炎症の広がり 連続性:非連続性
・痔瘻 おこらない:おこる
・特徴所見 全周性潰瘍:縦走潰瘍、敷石状病変
【腸閉塞・イレウス】
☆分類
1,腸閉塞
・単純性(閉塞性)…最多。腸の血行障害なし。手術後の腹腔内癒着や大腸癌によるものが多い。
・複雑性(絞扼性)…索状物による絞扼、腸重積、腸軸捻転、嵌頓ヘルニアなどが原因に。突然の激しい腹痛で発症し、ショック症状を呈する。
・構造的には平気だけど、蠕動が無理ってこと。
☆症状
・陰性所見:下痢
☆診断
・小腸ガスと鏡面像(ニボー)がみられる。
・腸閉塞…腸雑音の亢進(金属音)
【過敏性腸症候群】
・器質、構造的な異常がないのが特徴。機能に問題があるってこと。
☆分類
・便秘型…女性に多い
・下痢型…男性に多い
・交代制下痢・便秘型…便秘と下痢を繰り返す
☆症状
・大部分は腹痛。特に左下腹部痛を伴い、排便、排ガスにより軽快することが多い。
・陰性所見:痔瘻、発熱、嘔吐、血便
☆治療
・増悪因子となるもの(アルコール、食事、ストレス)があれば除く
【大腸ポリープ】
・大腸粘膜が限局性に隆起した良性の上皮性腫瘍。
☆組織学的分類
・腺腫性ポリープ…大腸癌の前癌病変とされる(つまり癌化しやすい)
【虫垂炎】
・原因わからない。
・虫垂に化膿性炎症を起こしたもの。
☆診断
1,圧痛点
・ランツ点
・マックバーネー点
2,腹膜刺激症状
・反跳痛、ブルンベルグ徴候…腹部を圧迫していた手を放すと痛みが増強する現象
・筋性防御…腹部を手で圧迫していくとある時点で急に腹筋に力が入る現象
3,血液検査
・血液炎症所見(白血球増多、CRP陽性、血沈亢進)がみられる
~腫瘍性疾患~
【食道癌】
・食道粘膜上皮から発生する上皮性悪性腫瘍。組織学的には90%以上が扁平上皮癌。
☆特徴
・高齢男性に多い。成因は明らかではないがアルコール、喫煙と熱い食物は危険因子
・中部食道~下部食道に好発する。
☆症状
・早期癌…内視鏡下粘膜切除術。無症状あるいは嚥下時にしみる程度
・進行癌…外科手術による手術。腫瘤により食道が狭窄され、嚥下困難(特に固形物)が起こる。体重減少が起こる。飲食物が気道に入って嚥下性肺炎(誤嚥性肺炎)をきたすことがある
※他の臓器へ浸潤することで起こる症状
・大動脈…大出血(吐血)
・頚部交感神経…ホルネル症候群(同側の眼瞼下垂、縮瞳)
・迷走神経を圧迫
・上大静脈を圧迫…顔面に著名な浮腫をきたす(上大静脈症候群)。※この所見頻度が最も高い
☆予後
・5年生存率は20%前後。予後が悪い。
【胃癌】
・組織学的には腺癌であることが多い。
・日本人に多く見られ、転移をしやすいのが特徴
☆危険因子
食生活(ニトロソアミン(食品添加物+胃酸)など)、萎縮性胃炎、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染(胃潰瘍、慢性胃炎も)
☆病期分類
・早期癌
・進行癌:ボルマン分類(=胃癌の進行度)、TNM分類、肝転移、腹膜転移の有無
☆症状
・早期癌…ほとんど無症状
・進行癌…特徴的なものはない
☆転移
・ウィルヒョウ転移:左鎖骨上窩リンパ節
・クルーケンベルグ転移:卵巣
・シュニッツラー転移:直腸子宮窩(ダグラス窩)
①ダンピング症候群 胃切除後の合併症の1つ
・摂取した食べ物が急激に腸内に入るためと考えられる
1,早期ダンピング症候群(食後20~30分以内に起こる)
・悪心、冷汗、動悸、脱力感、腹痛、下痢など
2,後期ダンピング症候群(食後2~3時間で起こる)
・低血糖。症状は30~40分続く
【大腸癌】
・大部分は腺癌。
・近年は食生活の欧米化に伴い増加傾向。
☆疫学
・低繊維食の食習慣、堪能切除後の人、炎症性腸疾患で長期に持続していると発生しやすい。
・腺腫性ポリープは癌化しやすい
☆病期分類
・デュークス分類(=大腸癌の進行度)
☆症状
・早期癌…無症状のことが多い。がんの発生部位が肛門に近いほど症状現れやすい。
・進行癌…
☆転移
・血行性転移として、肺転移、肝転移がしばしばみられる。胃がんよりは起こりにくいが。
☆診断
・早期診断のスクリーニング検査として便潜血反応が有用。
・大腸癌=CEAが高値。※ただ早期診断には役に立たない。
~腹膜疾患~
【急性腹膜炎】
【結核性腹膜炎】
【癌性腹膜炎】
・腹膜にがん細胞が転移。著名な腹水が貯留。
<感染症>
~総論~
【感染経路(感染様式)】
①外因性感染 外界から病原体が伝播するもの
1,水平感染(多くはこれ)
・接触
・飛沫(近く。1mくらい)
・空気(とおく)
・媒介感染
2,垂直感染(母子限定)
②内因性感染(普段は無害な常在微生物(常在細菌叢)が病原性を発揮するもの)
1,菌交代現象
・大量の抗生物質の投与などによる。
・ex.偽膜性大腸炎…抗生物質により大腸菌が大きく変化し、クロストリジウム・ディフィシルが大量に増殖して毒素が大量に酸性されることで発生
2,日和見感染
免疫力が著しく低下している場合、健常者は感染しないような弱病原性微生物によって感染が成立すること。
・ex1.サイトメガロウィルス肺炎
・ex2.ニューモシスチス肺炎。エイズ患者の40%は本性で発症する。両肺門部よりスリガラス状陰影がみられるのが特徴。
3,異所性感染
・ex.敗血症
【経過】
・顕性感染
・不顕性感染
・回帰感染
【感染症を疑う症状・所見】
・炎症反応としての発熱、CRP上昇、血沈亢進
【発疹(皮疹)の種類】
1,色調の変化
2,限局性隆起性変化
・丘疹
・結節
・腫瘤
3,その他
【皮膚・粘膜の損傷】
1,びらん
2,潰瘍
~細菌感染症~
【概要】
1,毒素について
2,3種混合ワクチン
※2012年11月からは「ポリオ」を含めた4種混合ワクチンが導入されている
【黄色ブドウ球菌感染症】 黄色ブドウ球菌:接触、飛沫
・皮膚化膿症を起こす主な原因菌
・抗菌薬に抵抗性を示すメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による院内感染が問題とされている。
☆症状
毛嚢炎→せつ→よう→蜂巣炎→敗血症
※蜂巣炎…真皮深層~皮下脂肪組織の急性化膿性炎症。境界不明瞭で急速に拡大
※ひょう疽
【連鎖球菌感染症】
①猩紅熱 A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌ってやつ):飛沫
・小児に多く見られる。
・外毒素(増殖部位から離れた組織への障害)による全身の赤い皮疹とイチゴ舌。抗ストレプトリジンO抗体(ASO)が高値。抗ストレプトキナーゼ(ASK)も抗値。
②肺炎球菌性肺炎 肺炎球菌:飛沫
・高熱、咳嗽、鉄錆色の喀痰が出現。多くは大葉性肺炎(病変が1つの肺葉全体に及ぶもの)の型。予防として高齢者には肺炎球菌ワクチンが勧められる。
【破傷風】 破傷風菌:接触(創傷)
・土壌中に存在する嫌気性の破傷風菌が外傷などの傷口から侵入。
・外毒素が中枢神経を障害し随意筋の痙攣による牙関緊急(口を開きたくても開けない)や痙笑など特徴的な症状
・第一期 創傷部周囲の筋緊張など
→開口障害(牙関緊急)出現
→第二期(痙笑)、体幹や四肢の緊張
→全身痙攣出現
→第三期 後弓反張、項部硬直、便秘
→第四期 回復期。全身痙攣消失、筋緊張残存
【細菌性赤痢】 赤痢菌:媒介(経口)
・食べ物、水から大腸の粘膜に感染する。
・海外渡航後の発症が多い。
・赤痢菌が粘膜に潰瘍を形成する。下痢は「軟便、水様便」→「膿粘血便」と変化
【百日咳】 百日咳菌:飛沫
・小児に多く見られる
・カタル症状(鼻水いっぱい出てる感じ)から始まる。
・気管支攣縮によって起こる激しい咳を特徴とする。発熱は見られない。あっても微熱
【ジフテリア】 ジフテリア菌:飛沫
・ジフテリア=偽膜と覚える。フィブリノゲンが多量に出てきて偽膜になっちゃう。
・偽膜性咽頭炎が起こる。咽頭から喉頭まで広がり気道閉塞を起こすことも。
・また合併症としてジフテリア毒素が心筋障害や神経障害を起こすことも。
【コレラ】 コレラ菌:媒介(経口)
・急性で致死性の下痢性疾患。小腸上皮細胞に付着し増殖する。
・毒素により小腸粘膜から水及び電解質が体外へ失われるため、多量頻回の米の研ぎ汁様下痢が特徴。高度の脱水をきたす。
・3類感染症
【腸チフス・パラチフス】 チフス菌・パラチフスA菌:媒介(経口)
・食物や水などから。小腸から侵入し腸間膜リンパ節病変をきたし、リンパ行性に血液中に侵入して敗血症をおこし、全身性の感染症状。
・比較的徐脈、バラ疹、脾腫が3主徴。
・血清学的診断でヴィダール反応(=チフス、パラチフス)が陽性。
・致死率10%でけっこうこわい。日本ではほぼないが、生水のめない国だとありえる
【レジオネラ症】 レジオネラ菌:空気、飛沫
・自然環境中の水や空調の冷却水、土壌や温泉に生息する菌。
・エアロゾルの吸引によって感染し肺炎を発症する。
・人から人へ直接感染することはない。4類感染症
~ウイルス感染症~
【概要】
1,ウイルス
・タンパク質の殻(カプシド)と、核酸(DNAかRNAのいずれか一方)のみからなる。
※DNAウイルス
・B型肝炎
・天然痘
・アデノ
・ヒトパピローマ
・ヘルペス
・ヒトパルボ
2,ウイルス血症
3,向性
【インフルエンザ】 インフルエンザウイルスA,B,C:飛沫
・1~2日の潜伏期と超短い。悪化も速い。
・大流行しやすくワクチンによる予防が重要。5類感染症。
・呼吸器症状…咳嗽、喀痰。胸痛もある(炎症が強いってこと)。
・咽頭ぬぐい液、うがい液について迅速診断キットによる検査がある。白血球数が減少する。
【麻疹(はしか)】 麻疹ウイルス:空気、飛沫
・発症後2~3日後にコプリック斑が出現(カタル期)。その後いったん解熱し、再び高熱が出て全身に融合傾向のある斑状の丘疹性発疹が出現する(発疹期)二峰性発熱が特徴。
・極めて強い感染力を持ち、主に小児に発病。
【風疹】 風疹ウイルス:飛沫
・上気道粘膜で増殖。
・2~3日で軽快するので俗に"3日はしか"とよばれる。
・先天性風疹症候群…妊娠中に罹患すると胎児に奇形を起こす危険がある。
・はしかとの違いは非融合性なのと色素沈着がおきにくいこと
【流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)】 ムンプスウイルス:飛沫、接触
☆合併症
・精巣炎(睾丸炎)、精巣膨張など
・男性生殖器に好んでくっつきやすい。たぬきの置物みたいな。
・おたふくかぜの薬はないらしい。対症療法しかない。
【エンテロウィルス感染症】
①手足口病 A群コクサッキーウイルス:飛沫、接触
・夏季に乳幼児に流行し、口腔内、手掌、足底に水疱疹をきたす感染症
②ポリオ ポリオウイルス:接触、経口、飛沫
【アデノウィルス感染症】 ウイルスの種類が超多い。
・ウイルス性呼吸器感染症の1~5%、乳幼児急性胃腸炎の約10%、ウイルス性結膜炎のほぼ全てがアデノウイルスが原因。
①咽頭結膜熱(プール熱) 飛沫、接触 5類感染症
②流行性角結膜炎(はやり目) 接触 5類感染症
【ノロウィルス感染症】 経口
・成人の食中毒の原因として最も多い。
・陶器に流行。集団食中毒として世界的な流行を繰り返している。
・感染力が強い。5類感染症。
【ヘルペス感染症】
・一度感染すると生涯にわたり宿主内の特定の組織・細胞に潜伏し、宿主の免疫力が低下すると再活性化して回帰感染する。
HHV-1 ~ HHV-8
①水痘・帯状疱疹 水痘・帯状ヘルペス(帯状疱疹)ウイルス:空気、接触
・初感染したときは水痘。
・水痘が治癒したあとウイルスが三叉神経節や脊髄後根神経節などに潜伏感染し、回帰感染するのが帯状疱疹。
☆水痘の特徴
・全身性。ほとんどが小児期に感染。
・紅色丘疹→水疱→膿疱→痂皮の順に変化。
☆帯状疱疹の特徴
・回帰感染による。高齢化に伴って7~8人の1人の割合で発症。
・多くは片側性で上半身。神経の走行に一致して帯状の水疱をつくり、神経痛様疼痛や知覚過敏を伴う。赤い発疹、痒み。
☆治療
・抗ウイルス薬を投与する。
※ラムゼイ・ハント症候群(帯状疱疹+顔面N麻痺)
・帯状疱疹ウイルスが顔面神経膝神経節を侵し、顔面神経麻痺、内耳障害、味覚障害などをきたすもの。
②単純ヘルペス感染症 1型・2型ヘルペスウイルス:飛沫、接触、産道
・唾液や幹部の直接接触で感染。不顕性感染が多い。
・1型 主として口腔粘膜に感染する。
・2型 性行為によって感染することが多い。
③伝染性単核球症 EBウイルス:接触、飛沫
・B細胞に感染。感染細胞の排除のため免疫、炎症が惹起される疾患。
・弛張熱(38度以上)、全身リンパ節腫大(特に頸部)
・小児は感染しても顕性しない
④突発性発疹 6型・7型ヘルペスウイルス:接触
・「突発」の名でママさんたちに知られる。
・生後6ヶ月ごろに発症する予後良好な疾患。母からもらった抗体がちょうど消える時期。カタル症状のない高熱→白血球の減少がみられ、解熱とともに体幹部に球状紅斑を認める。
・日本人の抗体保有率が100%。世界的に見て非常に珍しい
~性感染症~
・性行為や粘膜同士の直接接触によって感染する疾患の総称
・一般に男性のほうが女性よりも症状が強い場合が多い
・無症候性の場合も多い。自覚症状がないまま感染を拡大させてしまうことが問題となる
【梅毒】 梅毒トレポネーマ
・スピロヘータ(細菌の分類)の一種である梅毒トレポネーマの感染。
・東京都がずっと1位
・第一期:3ヶ月まで。痛みはないが局所性の陰部初期硬結、丘疹、潰瘍など
→第二期:3ヶ月以降。全身性のバラ疹、扁平コンジローマ、梅毒性粘膜疹
→第三期:3~10年。全身性のゴム腫、結節性梅毒など
→第四期:10年以降。神経梅毒(脊髄癆、進行麻痺)、心血管梅毒など
※アーガイル・ロバートソン徴候
・輻輳反射は正常なのに対光反射が消失している。両方縮瞳は起こるはずなのに。
・神経梅毒の際に現れる徴候
【淋病】 淋菌
・男性の割合が多く、男性は尿道炎、女性は子宮頸管炎が代表的である。男女ともに膿性分泌物がみられる
【性器クラミジア感染症】 クラミジア・トラコマチス
・性感染症の中で最も多い。男女とも自覚症状がない(女の8割、男の5割)
・女性では子宮頸管炎が上行感染をおこし、卵管炎や腹膜炎を起こす。
※淋病と症状は同じだが軽いor無症状+症状が上行する特徴がある。
【エイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)】 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
・CD4陽性Tリンパ球(ヘルパーT細胞のこと)に感染し、風邪に似た症状が数週間見られたあと、長い潜伏期間を経て免疫機能を破壊し、最終的にニューモシスチス肺炎などの日和見感染症や悪性腫瘍を起こした状態をエイズという。
☆感染経路
・性感染:HIV感染者との性交渉 80%
・血液感染
・母子感染
※血液、精液、膣の分泌液
☆症状
・無症候期は数年~十数年の潜伏期
・患者の40%はニューモシスチス肺炎で発症。
~細菌性食中毒~
【概要】
【黄色ブドウ球菌】
【ボツリヌス菌】
【腸管出血性大腸菌】